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2026-05-21 10:00:00

「事業を継いだ後」を支援する ー 東京都の成長支援助成金 

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「継いだはいいが、どうするか」——後継者が直面する本当の課題

 

 

事業承継という言葉を聞くと、多くの人は「事業を後継者にどう引き渡すか」「株式や財産をどう引き継ぐか」という場面を思い浮かべると思います。

 

しかし、事業を引き継いだ後継者の方々は違った悩みを抱えていらっしゃいます。

 

 

「親の代の商売をそのまま続けるだけでいいのだろうか」

 

「設備も古くなってきた。新しい事業に踏み出したいが元手が心もとない」

 

「自分の代で何か変えないといけないと思っている」

 

 

実際のところ、事業承継は「区切り」ではなく新しい「出発点」といえます。

 

しかし、その出発点に立った後継者が次の新しい一歩を踏み出すための支援は、それほど知られていません。

 

 

今回は、東京都中小企業振興公社の「事業承継を契機とした成長支援事業」についてご説明します。

 

 

 

事業承継の次のステージへ——課題は「承継後の成長投資」

 

 

帝国データバンクの2025年調査によると、全国の後継者不在率は50.1%となりました。前年(2024年)から2.0ポイント(pt)低下し、7年連続で前年の水準を下回っています。

 

官民の相談窓口が普及するなど、事業承継の重要性が広く浸透してきたことで、後継者不在率は数字上は年々改善はされてはきています。

 

 

一方で、後継者が決まり承継を済ませた企業では、「承継後の成長投資」が課題になっています。

 

親の代から続く事業を変えることの心理的ハードル、手元資金の制約、従業員の反応への懸念——こうした要因が重なり、承継後も変化に踏み出せないままとなってしまうことがあります。

 

 

京都中小企業振興公社から、そうした「動きにくさ」を解消する制度が発表されました。

 

 

 

「承継後の一歩」に最大800万円の助成

 

 

事業承継を契機とした成長支援事業

 

令和8年度申請受付期間:

第一回 5月18日(月) 〜 6月17日(水)16:00まで

第二回 9月1日(火)~9月30日(水)16:00まで

 

 

東京都中小企業振興公社が実施するこの助成金は、事業承継を経た後継者が取り組む「新規事業展開」に対して、設備導入費・システム導入費・販売促進費などを幅広く支援します。

 

 

<助成の概要>

 

 

助成限度額

800万円

 

助成率:

(原則) 助成対象経費の3分の2以内

(賃上げ計画を策定・実施する事業者) 4分の3以内

(上記のうち小規模事業者) 5分の4以内 

 

 

原則は3分の2の助成率ですが、賃上げ計画を加えた場合は4分の3、さらに小規模事業者であれば5分の4まで上がります。

 

つまり、100万円の投資に対して80万円が助成される計算となり、小規模事業者をより優遇する制度となっています。

 

 

対象となる取り組みの例

 

この助成金が対象とするのは、承継後の経営者が取り組む「新規事業展開」です。

 

「新規事業」と聞くと敷居が高く感じるかもしれませんが、必ずしもまったくのゼロから始める事業である必要はありません。

 

 

公社が示している取り組みの例として、以下のようなものが挙げられています。

 

 

- 業務用空気清浄機の製造会社が、家庭用の小型製品を開発して新市場に参入する

 

- 美容室が写真館を隣接して新設し、セットメニューとして提供する新サービスを始める

 

- 既存顧客への業種外サービスを新たに立ち上げ、収益の柱を増やす

 

 

「先代とは違う顧客に、あるいは違う価値を、新しい形で届ける」取り組みが対象といえます。

 

後継者が「自分の代でやりたいこと」を形にするためのお金、と考えるとイメージしやすいでしょう。

 

 

 

対象経費の広さが使いやすい理由

 

この助成金の実用上の強みは、対象となる経費の範囲が広いことです。

 

 

- 機械装置・工具器具費

 

- 設備等導入費

 

- システム等導入費

 

- 委託・外注費

 

- 販売促進費

 

- 専門家指導費

 

- 不動産賃借料(新事業用のスペース)

 

 

新規事業の立ち上げに必要な設備・IT・広告・専門家活用まで一括して助成対象になるため、「何のためのお金か」を事業計画として整理できれば、申請の実用性は高いと考えられます。

 

 

事業承継は、引き継いで終わりではなく「引き継いだ後からが本番」と考えると、「事業承継を契機とした成長支援事業」制度は強力な武器となります。

 

 

 

 

まとめ

 

 

承継を済ませた後継者には「継いだ後の事業をどのように進めるか」という次の課題が待っています。

 

成長投資の機会を逃さないためには、制度の動きをタイムリーに把握し、自社の状況に合わせて活用の可否を判断することが出発点です。

 

 

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